読みもの
2021/05/25 23:24
こんにちは、おやつの花の小林です。
皆さんはキウイの旬はいつだかご存知ですか?
トロピカルなイメージがあるので、もしかして夏では?
とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
私は、キウイの産地である徳島・佐那河内村(さなごうちそん)に住み、菓子工房を開いております。
旬の時期になるとたくさんお裾分けいただくのですが、その旬とは・・・
10〜11月頃。
夏ではなく、どちらかといえば晩秋なのです。意外でしょうか?
ということで、5月中ばをすぎた今はキウイの開花のシーズンなのです。
そもそもキウイの畑は、農家さんが枝を剪定しやすいように、
また、果実をもぎ取りやすいように、大人の背丈ほどの棚にして作られています。
この日、私も初めてキウイ農家さんの先導で畑を訪問しました。
これは、キウイ畑の下を歩いている様子です。
キウイにたくさんお日様が当たるように、斜面に畑が作られています。
これは畑の高いところから下を見下ろしている様子。この畑での作業が終わったので、次の畑に移動する時に撮影しました。
さて、皆さんはキウイのお花を見たことがありますでしょうか?
お見せいたしましょう!
こんな感じです!
白い花びら、たっぷりの雄しべ。案外大きな花ですね。
農家さんにとって、開花シーズンとはつまり”受粉シーズン”です。
受粉シーズン、なんだか恋の季節のようで、ちょっとドキドキ。
キウイの花の命は3日だそうです。
この間に、どれだけ受粉させるかで、秋に収穫できるキウイの量が決まります。
私も受粉作業を初めてやらせていただきました。
こちらが、受粉したお花の様子。
花が赤く染まっていますよね。
受粉作業には様々なやり方がありますが、私が体験したやり方は、
赤く着色した液体にキウイの花粉を混ぜて、花にスプレーする方法でした。
そうすることで、着色した花=受粉作業済、ということが受粉する者にとっては一目瞭然です作業効率が上がります。
なるほど、便利な方法を生み出されましたよね。
ちなみにこちらは花粉をたくさん蓄えた、雄花です。
キウイの木には、雌雄があります。
雄の木の花から花粉を採取し、雌の木の花に受粉させます。神秘ですねー。
さて、ここまでキウイのお花について紹介してきましたが、
普通の花とちょっと変わっている点に気がつきませんでしたか?
・・・・・
そう、お花が「下を向いて咲いている」んです。
太陽のある上を向くのが普通のような気がするのですが、不思議ですよね。
受粉作業をしながら私が感じたのは、
キウイの花は下を向くことで、人間とコミュニケーションができます。
まるで「私に受粉させてね」と言わんばかりに。
皆さんはどう思われますか?
私はキウイの声が聞けたようで、なんだか嬉しいひとときでした。
そんなキウイですが、今年は予想外に早い梅雨入りで、雨の中の受粉作業となりました。
農家さんによれば、
「雨の日が続くと、せっかく受粉しても花粉が雨に濡れて死んでしまい、結実しない可能性がある」ということです。
今年の秋、キウイの実が収穫できるか、正直わかりません。
だけど、無駄になったとしても受粉させないわけにはいかない。
もう祈るしかないわけですが、ぜひ一緒に実りの秋を迎えたいと思っています。
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昨年、収穫しておいた低温で貯蔵しておいたキウイをジャムにしました。
焼菓子福袋にお詰めいたします。
ぜひご賞味ください。
https://store.yfd-studio.net/items/44191552