2026/10/19 16:09
2026年8月、今年も徳島・上勝町へ向かいました。炎天下の茶畑で、両手いっぱいに茶葉を刈り取る夏。昨年と違ったのは、この輪に加わる仲間がまた増えていたことでした。 阿波晩茶の茶摘みに初めて参加したのは数年前のことです。当時は小さな輪の中で黙々と手を動かしていました。でも今年の茶畑を見渡すと、顔ぶれが確実に広がっていることに気がつきます。 デザイナー、作家、料理家——それぞれ異なる仕事や暮らしを持つ人たちが、同じ茶畑に集まって一緒に汗をかいている。この場所が一つの小さなコミュニティになってきたことを、じんわりと嬉しく感じた一日でした。 阿波晩茶というお茶を軸に、こんなふうに人がつながっていくこと。それ自体が、このお茶の持つ力なのかもしれないと思っています。 阿波晩茶の茶摘みは、正直に言うと楽な作業ではありません。真夏の炎天下、育った茶葉を両手で根こそぎ刈り取り続ける3時間。腕は疲れ、汗が止まらない。それでも手を止められないのは、農家さんの仕事の一部を担っているという実感があるからだと思います。作業の合間にいただいた冷たい阿波晩茶は喉を優しく潤してくれました。 体験として参加しているはずが、気がつけば「お手伝いをしに来た」という感覚に変わっていく——それがこの茶摘みの面白さです。茹で上げ、茶スリ、木桶への漬け込みと続く工程を知ってその工程の一部を農家さんと一緒に進めていくうちに、一杯のお茶がどれほどの手間と時間の上に成り立っているかを、身体で理解していきます。 できあがったお茶を口にしたときの味が毎年違うのも、この製法ならでは。農家さんごとに道具も漬け込む時間も微妙に異なり、同じ山里でも風味が変わる。そのことを知ってから飲むお茶は、また格別です。 茶摘みに参加すると、出来上がった新茶を手にすることができます。私自身、このお茶をどう使おうかと考えるのが毎年の楽しみになっています。大切な方への贈り物にする、日々のデスクに置いて仕事の合間にいただく——使い方は人それぞれです。 出来上がった新茶でお茶会を開く、そんな楽しみ方もございます。コミュニティだからこそ、いろんなアイディアが生まれています。 参加者の中には、カフェのメニューに取り入れている方や、ワークショップの場で提供している方もいます。自分の手で関わったお茶だからこそ、その背景をお客様や参加者の方に自信を持って伝えられる。そういう使い方ができるのも、この体験ならではの魅力だと感じています。 毎年「大変だな」と思いながら、それでも翌年また茶畑に向かいたくなる。それが阿波晩茶の茶摘みという体験です。一杯のお茶の向こうにある景色を、一緒に見にきませんか。 阿波晩茶に関わりたい・もっと知りたいという方に向けて、毎年サポートプログラムもご用意しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。
お茶コミュニティが、少しずつ大きくなっている

大変だからこそ、残るもの——農家さんのお手伝いという感覚

手元に届いたお茶を、自分の仕事や暮らしへ
